今回の問題は簡単そうに見えて実は「罠」が仕掛けられている問題です。
問題:大学入試センター試験 ドイツ語 第3問 (朝日新聞デジタル)
解答:ドイツ語 解答
選択肢①~⑥をすべて使って[21],[22]と下線部を埋めていきます。
問2 彼はすでに家に帰ったにちがいない。もうコートがないから。
Er _ schon nach Hause [21] _. _ [22] _ nicht mehr da.
①sein ②denn ③sein Mantel ④gegangen ⑤muss ⑥ist
問題の文は2つに分かれています。
- 彼はすでに家に帰ったにちがいない。
- もうコートがないから。
最初の文「彼はすでに家に帰ったにちがいない。」を解きます。
「~にちがいない」は話法の助動詞⑤mussを使います。
話法の助動詞が定動詞として用いられると、 本動詞は(zuのない)不定詞の形で文末におかれますので、文末は現在完了で「帰った」をあらわすgegangen seinとなります。
よって、「彼はすでに家に帰ったにちがいない。」は、Er muss schon nach Hause gegangen seinとなります。
次に「もうコートがないから。」を見てみます。
ここに「罠」があります。
残った選択肢は②denn、③sein Mantel、⑥istの3つです。
問題は「語順」です。
日本語に「~だから」がありますので、理由をあらわす並列接続詞②dennが最初に来るとわかります。
ここで気をつけないといけないのは②dennの次に⑥istをもってきてDenn ist sein Mantel nicht mehr da、とやってしまいがちなことです。
『中級ドイツ語のしくみ』p.266で、並列接続詞(denn, und, aberなど)について、次のように注意しています。
並列接続詞には(中略)denn「というのは」のほかに, und「そして」, aber「しかし」, oder「または」などがあります。これらは「文と文の間に置かれる」ものです。つまり, 語順に影響は与えません。このことは案外間違いやすいものです。
dennは語順に影響を与えないので「動詞+主語」となりません。
よって、「もうコートがないから。」はDenn sein Mantel ist nicht mehr daとなります。
完成形はこうなります。
Er muss schon nach Hause gegangen sein. Denn sein Mantel ist nicht mehr da. 彼はすでに家に帰ったにちがいない。もうコートがないから。
解答は[21]④、[22]③です。