「ブレーメンの音楽隊」をドイツ語で読む 第2回 ~働けなくなった弱者たちの第2の人生~

猟犬

前回は、仕事をする体力がなくなってエサをもらえなくなったロバが、職場から逃亡してブレーメンに向かいました。

前回:「ブレーメンの音楽隊」をドイツ語で読む 第1回 ~殺されそうなので音楽家になることにした~

今回は、ロバがブレーメンに向かう途中、老いた猟犬に出会います。

彼も高齢のため猟犬として役に立たなくなり、主人から見捨てられたようです。

Als er ein Weilchen fortgegangen war, fand er einen Jagdhund auf dem Wege liegen, der jappte wie einer, der sich müde gelaufen hat. “Nun, was jappst du so, Packan?” fragte der Esel. “Ach,” sagte der Hund, “weil ich alt bin und jeden Tag schwächer werde, auch auf der Jagd nicht mehr fort kann, hat mich mein Herr wollen totschlagen, da hab ich Reißaus genommen; aber womit soll ich nun mein Brot verdienen?”

しばらく歩くと、猟犬が道に寝て、疲れるまで走ったようにハアハアあえいでいるのに気がつきました。「犬くん、どうしてそんなにあえいでいるんだね?」とロバは尋ねました。「ああ」と猟犬は答えました。「僕は年寄りで、毎日弱くなってきて、もう猟ができないんだよ。主人は僕を殺そうとしたんだ。だから逃げて来たのさ。だけど、どうやって食っていったらいいんだろう?」

via 「ブレーメンの音楽隊

Als er ein Weilchen fortgegangen war, 彼(ロバ)がしばらく歩いていると、

fand er einen Jagdhund auf dem Wege liegen, 彼は猟犬が道に横たわっているのを見つけました、

der jappte wie einer, der sich müde gelaufen hat. 彼(猟犬)は疲れるまで走ったように、ハアハアあえいでいました。

“Nun, was jappst du so, Packan?” fragte der Esel. 「どうしてあえいでいるの、犬くん?」

Packanというのは「分離動詞anpackenの命令法を呼びかけに転用したもの」らしいです(via タコ太夫の万華鏡)。

anpackenの命令形”Pack an!”が「飛びかかれ!」という猟犬への命令で、転じて”Packan”が「猟犬」になったのだとか。

ロバの質問に、猟犬は「疲れはてて道で寝ている理由」をこたえます。

“Ach,” sagte der Hund, “weil ich alt bin und jeden Tag schwächer werde, 「ああ」と猟犬は答えました。「僕は年寄りで、毎日弱くなってきたから、

auch auf der Jagd nicht mehr fort kann, もはや猟もできないんだよ、

hat mich mein Herr wollen totschlagen, 主人は僕を殴り殺そう(totschlagen)とした、

da hab ich Reißaus genommen; それで僕は逃げたのさ。

Reißaus nehmen で「逃げる、ずらかる」です。

ロバと同じように、猟犬も働けなくなって、主人から殴り殺されそうになったので逃げてきたのでした。

しかし、働けなくなって「雇い主」から逃げても「現実的な問題」が残ります。

aber womit soll ich nun mein Brot verdienen?” だけど、どうやって食っていったらいいんだろう?」 

(mein) Brot verdienenは、「食っていく」「生活費を稼ぐ」です。

体力がなくなって仕事ができなくなり「職場」から逃亡したロバと猟犬ですが、これからどうやって生活していけばいいのでしょう。

仕事を失って途方に暮れる猟犬に、ロバはある提案をします。

Viel Spaß - und bis bald!
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