赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)は関係代名詞の嵐

赤ずきんちゃん

グリム童話の「赤ずきんちゃん」(Rotkäppchen)の冒頭は関係代名詞の嵐です。

最初の短い一文だけで4つもあります。

Es war einmal ein kleines süßes Mädchen, das hatte jedermann lieb, der sie nur ansah, am allerliebsten aber ihre Großmutter, die wusste gar nicht, was sie alles dem Kinde geben sollte.

昔、かわいい小さな女の子がいました。誰でもその子を見ると可愛がりましたが、特におばあさんが一番で、子供にあげないものは何もないほどの可愛がりようでした。

赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)「グリム童話

文を分割して詳しく見ていきます。

「かわいい小さな女の子」というのがどんな女の子なのかを関係代名詞を用いて説明しています。

Mädchen, das hatte jedermann lieb その女の子は誰もが愛した

jedermann, der sie nur ansah 「誰もが」というのはどんな人達かといえば、彼女を見た人々

am allerliebsten aber ihre Großmutter 一番彼女を愛したのは彼女のおばあさん

Großmutter, die wusste gar nicht おばあさんはまったく知らなかった

was sie alles dem Kinde geben sollte おばあさんが女の子にあげたかったものすべてを

最後の箇所はおばあさんについて説明しています。

“ihre Großmutter, die wusste gar nicht, was sie alles dem Kinde geben sollte”というのは、おばあさんは女の子(赤ずきんちゃん)を溺愛していたらしく、「おばあさんは、女の子にあげたいと思っていたすべてのものを完璧に知ることができないでいた」と読めます。

おばあさんはたくさんのものを赤ずきんちゃんにあげていましたが、「実際にあげたものすべて」が「おばあさんが赤ずきんちゃんにあげたかったものすべて」とイコールかどうかをおばあさんはまったく認識できなかった、といえそうです。

論理的思考力のあるおばあさんです。

論理演算や集合の知識があるおばあさん……すごい。

次回:赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)をドイツ語で読む 第2回

Viel Spaß - und bis bald!
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