今回は、狼が赤ずきんちゃんと会話しながら考えていたことです。
前回:赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)をドイツ語で読む 第7回 ~狼と世間話する赤ずきんちゃん~
Der Wolf dachte bei sich: Das junge, zarte Ding, das ist ein fetter Bissen, der wird noch besser schmecken als die Alte. Du musst es listig anfangen, damit du beide schnappst.
狼は、「なんて柔らかそうで若いんだ。なんておいしそうに太ってるんだろう。ばあさんよりうまそうだ。おれはうまくやって両方つかまえなくちゃならん。」と心の中で考えました。
via「赤ずきん」
狼は心中ひそかに~と考えました(Der Wolf dachte bei sich:~)。
“ein fetter Bissen”には「うまい話、ぼろもうけ」という意味もあります。
最後の文”Du musst es listig anfangen, damit du beide schnappst.”(おれはうまくやって両方つかまえなくちゃならん。)の主語は2人称の”du”です。
しかし、訳は「おれ」となっています。
これは、話者(狼)が自分を対話の相手として語っているので、主語が”du”となっています。
心のなかで「うまくやれよ、お前」という感じで語るときに使う”du”です。