今回は、狼の誘惑に負けた赤ずきんちゃんが「寄り道」することを自己正当化する場面です。
前回:赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)をドイツ語で読む 第9回 ~狼のキャッチセールス~
おかあさんの言いつけに背いて寄り道をするためには「寄り道をすることが正しい」ことを自分に言い聞かせなければなりません。
Rotkäppchen schlug die Augen auf, und als es sah, wie die Sonnenstrahlen durch die Bäume hin und her tanzten und alles voll schöner Blumen stand, dachte es: Wenn ich der Großmutter einen frischen Strauß mitbringe, der wird ihr auch Freude machen; es ist so früh am Tag, dass ich doch zu rechter Zeit ankomme, lief vom Wege ab in den Wald hinein und suchte Blumen.
赤頭巾は目をあげました。太陽の光が木の間からあちこちにおどっていて、きれいな花が一面に生えているのを見ると、赤頭巾は、「おばあさんに摘んだばかりの花束を持って行けば、それも喜んでくれるわ。まだ早いからちゃんとそこに着くわ。」と考えました。
via「赤ずきん」
赤ずきんちゃんが自分に言い聞かせたことは次の2つでした。
- おばあさんに摘んだばかりの花束を持って行けば、喜んでくれる
- まだ時間が早いから、寄り道しても問題ない
「おかあさんの言いつけに背いて森に寄り道することは、おばあさんのためにもなるし、ちゃんとケーキとワインを届ければそれでいいんだ。結果オーライなんだ」
おかあさんの言いつけ(寄り道をせずにまっすぐにおばあさんの家に行くこと)を守らないためには「正当な理由」が必要です。
自分を納得させるための理由が。