今回は、赤ずきんちゃんがおばあさんに贈る花を求めて森の中へ入っていきます。
前回:赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)をドイツ語で読む 第10回 ~自己正当化~
Und wenn es eine gebrochen hatte, meinte es, weiter hinaus stände eine schönere, und lief danach und geriet immer tiefer in den Wald hinein.
それで花をさがしに道から森の中へ走って行きました。一本摘むと、もっと向こうにもっときれいな花があるように見えてそのあとを追いかけ、だんだん森の奥へ入って行きました。
via「赤ずきん」
主語はesになっています。
赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)が中性名詞だからです。
花を一本摘むと、森の中にいけばもっときれいな花(eine schönere)があるように見えて、花を追いかけて森の中深く入っていきます(geriet immer tiefer in den Wald hinein)。
geriertはgeraten(予期しないところに入り(迷い)込む、行きつく)の過去形です。
geratenの変化はこうなります。
[現在]du gerätst, er gerät [過去]geriert [過去分詞]geraten
手に入れた花に満足できず、「もっと、もっと」と欲望がふくらんでいきます。
「欲に目がくらんでいるときは身に迫る危険に気づかない」という教訓です。