赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)をドイツ語で読む 第9回 ~狼のキャッチセールス~

狼

今回は、狼が赤ずきんちゃんを森の中へ誘い込もうと「森の素晴らしさ」について語ります。

おそらく、狼は赤ずきんちゃんにこんなことが言いたかったのではと想像できます。

「森はこんなに素晴らしいところなのに君は森の花や鳥のさえずりを楽しもうとしない。真面目におかあさんの言いつけ通りを守ることばかり考えてる。なんてもったいない!ちょっとだけ森に寄って行かない?もし面白くなかったらすぐ帰っていいから。5分だけでいいから、ちょっと寄っていかない?」

前回:赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)をドイツ語で読む 第8回 ~狼の妄想~

Da ging er ein Weilchen neben Rotkäppchen her, dann sprach er: “Rotkäppchen, sieh einmal die schönen Blumen, die ringsumher stehen. Warum guckst du dich nicht um? Ich glaube, du hörst gar nicht, wie die Vöglein so lieblich singen? Du gehst ja für dich hin, als wenn du zur Schule gingst, und ist so lustig haussen in dem Wald.”

それで狼はしばらく赤頭巾のそばを歩いて、それから言いました。「赤頭巾ちゃん、見てごらん、このあたりの花はなんてきれいなんだろうね。周りを見回してごらん。小鳥たちもとてもきれいにさえずっているのに君はきいてないみたいじゃないか。君は学校へ行くみたいに真面目くさって歩いてるんだね 森の中のここではほかは何でも楽しいのに。」

via「赤ずきん

ein Weilchenは4格で「ほんのちょっとの時間」です。

Weilchen(中)はWeile(女)の縮小形です。

狼は森の素晴らしさについて語ります。

一面に咲いている花をご覧よ(sieh einmal die schönen Blumen, die ringsumher stehen)。

小鳥たちがきれいにさえずっているのに、君は全然きいてないでしょ?(du hörst gar nicht, wie die Vöglein so lieblich singen?)

まるで学校へ登校するみたいに歩いているね(Du gehst ja für dich hin, als wenn du zur Schule gingst)。

als wenn ~ は「まるで~するみたいに」です。

この場合、wennの文の中の定動詞はふつう接続法第2式か第1式です。

gingstはgehen(行く)の接続法第2式(ginge)です。

主語がduですのでgingstと変化しています。

「森の中はこんなに面白いところなのに、寄って行かずに通りすぎてしまうなんて、ああもったいない」と狼は赤ずきんちゃんを誘惑します。

次回:赤ずきんちゃん(Rotkäppchen)をドイツ語で読む 第10回 ~自己正当化~

Viel Spaß - und bis bald!
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